月ごとの気候の特徴
冬:雨が多く、寒い日と穏やかな日が交互に。
4月:マイルドな天候が続き、早めの芽吹き。4/6-8にかけ霜による大きな被害を受ける。
5月:初旬寒い日があり、局地的に再度霜害発生。涼しく、雨が多く、成長が鈍化。
6月:初旬は夏らしくなり、5月下旬から始まった開花は順調、平年より1週間遅い(2020と比べると2週間)。中下旬は嵐により降雨量が多く、局地的に雹害も発生。
7月:涼しく、雨の多い天気が続き、病害(ミルデュー)のプレッシャーは常にあった。既に霜害や雹害で弱っているところに追い打ちをかけ、収穫量を減らす原因に。
8月:葡萄の色づきは8月中旬に始まり、乾燥して晴れた日が続き、昼と夜の温度差もあり、葡萄にとって良い条件に。
9月:メルロの収穫は9月下旬と遅く、雨も多く、収穫された葡萄の酸は高く、糖分は低く、補糖やROで対応したシャトーも。
10月:晴れた日が続き、カベルネ種の熟成を助け、いい状況で収穫が行われた。
ボルドー全体の収穫量は減、「3.77m HL」 (比較/2020年:4.4ml HL、2019年:4.86m HL)
シャトーやアペラシオンによってばらつきが出ました。霜害やミルデューの影響を受けたシャトーは30-40%減、対策が成功したところは2020年より若干減となりました。
マルゴーは去年よりも収穫量が多く(36.3hl/ha→38.6hl/ha)、サンテステフも去年とさほど変わらず(40.7hl/ha)。
過去10年でも涼しく雨が多く、日照量が極めて少なかった年でした。
出来がいいものは2014年や2017年などを彷彿させ、アロマティックでクールなフレッシュネスがあります。
なかには 2013年のように、果実味やボディがなくハードなタンニンを感じたり、凝縮感に欠け、グリーンさ、水っぽさ、フィニッシュにハーバルなドライさを感じるものもありました。
アルコール度数は12.5-13.5%ですが、0.5-1.5%はシャプタリゼーションによるものも多いです(またはRO)。
主な品種の状況
特にメルロは霜害、ミルデュー、ボトリティスなどの影響を受けました。カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランは好天の10月ゆっくり熟し出来は良く、グランヴァンでの品種比率も高くなりました(Latour and Lafite at 96% Cabernet Sauvignon; Pichon Comtesse de Lalande at 98% Cabernet Sauvignon and Franc combined and 60% Cabernet Franc in Angélus)。
エリアごとの状況
右岸:プラトーのポムロールや、水はけの良い一部のサンテミリオンはアロマティックでエレガントな出来に。
左岸:特にマルゴーはエレガントさ、マルゴーらしい華やかなアロマ、優雅さが良く表現されているシャトーが多い。
白: 9月の雨の前に収穫できたものが多く、涼しい夏はフレッシュな酸やアロマティックの複雑味につながった。ソーヴィニヨン・ブランのほうがセミヨンより良好な出来。
甘口:ソーテルヌやバルザックでは霜害の影響を受け、収穫量は非常に小さいが、品質は良好。